老犬を介護する時に気をつけるべき事

老犬の介護という現実を目の前にして、多くの飼い主さんが「何ができるのか」「何をしてあげたらいいのか」を教えて欲しいと相談をされます。

 

長年、家族として共に過ごした愛犬の最後を前にして、1つでも多く何かしてあげたいという想いはもちろん共感できるものです。

 

ですが、老犬介護の現場で大切なことは、「無理をさせない」「昔とは違うということ」「元には戻らない」ということを、家族が認識することです。

 

中でも「無理をさせない」はすべてにおいて、優先しなくてはいけないことです。

 

食欲がないのであれば、無理に食べさせないことです。

 

何か食べることのできるものを探そうと、毎日何種類ものフードを並べたり、流動食にして口の中へ流しこんだり、中には動物病院で食欲増進剤の処方を受ける場合もあるでしょう。

 

ですが、犬自身はその行為を望んでいるのでしょうか?

 

食べたくない、食欲がないのであれば、無理をさせずに、ゆっくり昼寝をさせてあげましょう。

 

散歩に行きたくないと意思表示をするのであれば、無理にカートに乗せたり、抱き上げて外出をしたりするのではなく、日当たりのよい窓際にベッドを置きゆっくりと休ませてあげましょう。

 

家族として、最後にしてあげるべきことは、犬が自分でできないこと、困っていることを手伝うだけで十分なのです。

 

立ち上がる時に、ふらついてしまうのであれば、手を貸してあげましょう。

 

散歩に出ても、自力で歩行ができないのであれば、タオルなどを活用し、ハーネスを作り歩行の手助けをしてあげましょう。

 

トイレを失敗し、体が汚れてしまうのであれば、おむつを使用したり、水のいらないシャンプーやウェットティッシュを活用し、いつも体を清潔に保ってあげましょう。

 

老犬介護にマニュアルはありません。

 

それまでの生活の中で、当たり前だったことが徐々にできなくなってゆく中で、飼い主のすべきことは、「昔は出来ていた」「昔は好きだった」事を無理に続けさせることではなく、「今できること」「今、望んでいること」を手助けしてあげることなのです。